情シス業務とは?仕事内容と役割を徹底解説
企業のIT環境を支え、社員の業務をスムーズに進める「情シス(情報システム部門)」。
しかし実際には「情シスって具体的にどんな仕事をしているの?」「1人で何から手をつけたらいいのかわからない」という悩みを抱える人も多いのが現状です。
とくに総務や経理など、“情シス兼務”として業務を担う人にとっては、ITの専門知識だけでなく、効率化やトラブル対応力が求められ、日々の業務負荷が高まりがちです。
本記事では、そんな情シス担当者に向けて「情シス業務とは何か?」を基礎から整理し、
仕事内容・役割・優先順位の付け方までを具体的に解説します。
読むことで、あなたが抱えるモヤモヤが“構造化された理解”に変わり、 「自分の業務はこれで良いんだ」と納得できる指針が得られるはずです。
目次
情シス業務とは何か?役割と立ち位置

「情シス(情報システム部)」の定義と目的
情シスとは、「情報システム部門」の略称で、企業内のITインフラ全般を管理・運用する部署を指します。
具体的には、パソコンやネットワークの整備、アカウント管理、社内システムの導入・保守、セキュリティ対策など、社員全員が快適に働くための基盤を整える役割を担います。
その目的は大きく2つです。
1.業務の安定稼働(守りのIT):トラブルを防ぎ、安全な環境を維持する。
2.業務の効率化・改善(攻めのIT):ツールや仕組みを活用して生産性を高める。
特に中小企業では専任担当が少なく、「情シス=なんでもIT係」という扱いを受けることも多いですが、本来は経営と現場をつなぐ“戦略的なITパートナー”であるべき存在です。
企業の中で情シスが持つ役割:守り/攻めの両面から
情シスの役割は、単なる“トラブル対応”に留まりません。
企業の成長フェーズやIT環境の成熟度によって、「守りのIT」と「攻めのIT」のバランスが重要になります。
守りの情シス(安定運用・リスク管理)
- システムやネットワークの安定稼働を維持
- セキュリティリスクの最小化
- 社員の問い合わせ対応、障害対応
攻めの情シス(改善・DX推進)
- 業務プロセスの自動化やツール導入
- データ活用や可視化による意思決定支援
- DX推進プロジェクトへの参画
つまり、情シス業務は「ITを使って会社を守り、成長を支える」両輪の役割を果たす職種。
攻めと守りを両立できるかどうかが、企業の生産性や安全性を左右するのです。
「社内SE」との違い・兼任者が陥りやすい誤解
「情シス」と「社内SE(システムエンジニア)」は混同されがちですが、実は役割が異なります。
| 役割 | 情シス | 社内SE |
|---|---|---|
| 主な目的 | 社内IT環境の運用・最適化 | システムの開発・保守 |
| 業務範囲 | PC管理、ネットワーク設定、アカウント発行、セキュリティ管理 | 自社システムの要件定義・開発・運用 |
| 視点 | 全社的・経営的 | 技術的・開発的 |
特に中小企業では、「情シス=なんでもIT」になりがちで、社内SE・ヘルプデスク・ITコンサルの要素をすべて1人で担っているケースもあります。その結果、「何を優先すべきか分からない」「対応が後手に回る」といった課題が発生しやすくなります。
こうした誤解を解き、まず「自分がどの役割を担っているのか」を明確にすることが、情シス業務を最適化する第一歩となります。
情シスの主な仕事内容
情シス業務は大きく分けて「定常業務(ルーティンワーク)」と「非定常業務(プロジェクト・改善業務)」の2軸で構成されます。日常的なシステム維持から中長期の改革まで、幅広い業務を担うのが特徴です。
ここでは、代表的な仕事内容を具体例とともに整理します。
①定常業務:インフラ運用・IT資産管理・ヘルプデスク
PC・ネットワーク・ソフトウェアの管理
情シスの中心業務は、社員が業務を止めずに働けるようにIT環境を維持することです。
- 社員PCのキッティング(初期設定)や修理対応
- ネットワーク・Wi-Fi環境の保守、VPN設定
- ソフトウェア・ライセンスの管理、アップデート対応
- クラウドツール(Google Workspace・Microsoft 365など)のアカウント運用
これらは一見地味ですが、1つでもトラブルが発生すれば業務全体の生産性に直結する重要業務。「誰がどのデバイスを使っているのか」「ライセンスがいつ切れるか」といった情報を管理することが、安定運用の第一歩です。
社員からの問い合わせ・設定依頼対応
もう1つの定常業務が、いわゆる“社内ヘルプデスク”業務です。
- 「PCが遅い」「Wi-Fiが繋がらない」などの日常的な問い合わせ
- 新入社員のアカウント・メール設定
- 社員の退職時のアクセス権削除
これらは緊急対応も多く、1人情シスにとって最も時間を圧迫する領域です。
チャットツールやチケット管理ツールを導入することで、対応履歴を可視化し、効率化することが重要です。
②非定常業務:セキュリティ対策・システム刷新・プロジェクト対応
情報漏洩対策・アクセス権管理
クラウド利用が一般化した今、セキュリティ対策は情シス業務の中でも最重要テーマです。
具体的には以下のような対応が求められます。
- MFA(二段階認証)の導入
- 不正アクセス・情報漏洩の監視
- 権限設定・アクセスログの管理
- セキュリティポリシー・ガイドラインの策定
特に「社員の入退社時の権限変更」「外部委託者のアクセス制御」などはミスが起こりやすく、“小さな設定ミスが大きな事故につながる”ため、仕組みで防ぐことが肝心です。
新規システム導入・クラウド移行
会社の成長や業務変化に伴い、新しいシステムの導入やクラウド移行も情シスの大切なミッションです。
- 会計・人事・営業支援(SFA/CRM)などのツール選定
- 既存システムからのデータ移行
- クラウド環境の設計・権限管理
- 社員向け操作マニュアルの作成・教育
導入時には「機能」だけでなく、「運用のしやすさ」や「社内のリテラシー」を踏まえた設計が必要です。最終的なゴールは“ツール導入”ではなく、“業務が回る仕組みを作ること”にあります。
③その他:雑務
中小企業やスタートアップでは、情シス専任者が不在で、総務・経理・管理部門が情シスを兼務しているケースが多いです。
その結果、次のような「本来の情シス業務以外のタスク」にも対応する必要が生じます。
- 社員のスマホ・コピー機・プリンター管理
- オフィスのネット回線契約・更新
- ベンダーとの契約や見積もり対応
- 社員の入退社時のアカウント準備・備品調達
- IT教育や問い合わせ対応の“便利屋”化
これらの業務は、「緊急度は高いが、戦略的価値が低い」という特徴を持ち、担当者の時間を大きく奪います。
“なんとなくやっている業務”を棚卸しし、どれが本来の情シス業務なのかを明確にすることが、属人化から抜け出す第一歩になります。
今、「1人情シス」「情シス兼務」が抱える課題とその背景

情シス担当者の多くが、「気づけば毎日トラブル対応で終わる」「自分の仕事の成果が見えにくい」と悩んでいます。ここでは、その背景にある3つの根本課題を整理します。
リソース・時間が足りない現状:属人化・過負荷の構図
1人情シスの最大の課題は、“すべて自分で抱え込む構造”にあります。社内の問い合わせ、PC設定、セキュリティ対応、ツール導入……。優先順位をつける余裕がなく、日々のトラブル対応に追われる状態です。さらに、業務が属人化しているため、
- 休みを取りにくい
- 他の人に引き継げない
- トラブル対応のたびにゼロから考える
という悪循環が発生します。これは仕組みの問題であり、個人の努力では解決しにくい構造的課題です。
経営層・他部署とのズレ:情シスの“見えづらさ”と認識ギャップ
情シスの仕事は成果が見えづらく、「トラブルが起きない=仕事が評価されない」という性質を持ちます。そのため経営層から「まだ人は要らないのでは?」と誤解されやすく、リソース投資が後回しにされる傾向があります。
一方で現場の社員からは「設定してほしい」「すぐ直して」と要求が絶えず、板挟み状態に。結果的に、“情シス=便利屋”という立ち位置に陥ってしまうのです。このギャップを埋めるためには、「何のために・どのくらいの工数が発生しているか」を見える化し、
経営層へ“数値で説明する文化”を作ることが大切です。
優先順位が付けられていないために“日々の問合せ対応”に追われる構図
多くの情シス担当者は、目の前の業務に追われて「重要だが緊急でない仕事」が後回しになっています。
- セキュリティポリシーの整備
- 業務フローの標準化
- 自動化・ツール導入の検討
これらは本来、情シスが企業を支えるために最も価値を発揮できる領域ですが、短期的な火消し対応に埋もれ、手が回らないのが現状です。
次章では、こうした課題を解消するための「優先度マトリクス」と、限られたリソースで成果を最大化するツール活用・外部支援の考え方を紹介します。
情シス業務を整理するための「優先度マトリクス」とツール活用
情シス業務は膨大かつ多岐にわたるため、「何を優先すべきか」が分からず混乱しがちです。限られたリソースの中で成果を出すには、“緊急度”と“影響度”の2軸で業務を整理することが有効です。
「緊急度×影響度」軸で業務を分類する方法
以下のように、情シス業務を4象限で整理します。
| 影響度が高い | 影響度が低い | |
|---|---|---|
| 緊急度が高い | システム障害対応、アカウント凍結対応、セキュリティ事故対応 | 個別トラブル対応(PC設定、プリンタ接続など) |
| 緊急度が低い | 情報資産管理、セキュリティポリシー整備、自動化プロジェクト | 社員教育、マニュアル作成など |
このマトリクスを活用すれば、
- 「今すぐ対応すべき業務(左上)」
- 「長期的に取り組む業務(右上)」
- 「他部署やツールで代替可能な業務(右下)」
が一目で把握できます。ポイントは、“重要だが緊急でない業務”を計画的に進める仕組みを作ること。これができる情シスは、長期的に組織を安定させる力を持ちます。
まず手をつけるべき3つのタスク
特に「1人情シス」や「兼務者」が最初に取り組むべきは、以下の3つです。
1.アカウント統制
社員の入退社時に、不要なアカウントやアクセス権限を放置しない仕組みを構築する。
→ Google Workspace・Azure ADなどで自動連携を活用。
2.バックアップ設計
PC・サーバー・クラウドデータのバックアップ体制を整える。
→ 定期自動バックアップと復元テストをセットで運用。
3.社内ヘルプ対応体制
チャットやフォームを用いた問い合わせ窓口の一元化。
→ スプレッドシート・Notion・Slack連携などで可視化し、対応漏れを防止。
これらを整えるだけで、日々の混乱が整理され、「本来やるべき仕事」に時間を割けるようになります。
効率化のためのツール・外部支援の考え方
アウトソーシング・外部委託の比較・メリット
すべてを1人で抱える必要はありません。外部パートナーを活用することで、次のような効果が得られます。
- 時間の創出:定常業務を委託し、戦略業務に集中できる
- 専門知識の補完:セキュリティ・クラウド移行など高度分野をプロに任せられる
- 属人化の解消:ナレッジを共有し、誰でも業務を回せる状態に
たとえば、情シス代行サービスを活用すれば、ヘルプデスク・IT資産管理・セキュリティ対策まで一元的に任せられます。
自動化/マニュアル化ツール(例:DAP/運用自動化)
一方で、社内にノウハウを蓄積するには「自動化ツール」も有効です。
- IT資産管理ツール(AssetSonar・ジョーシスなど)
- ワークフロー自動化(Power Automate/Zapier)
- 操作ガイド自動生成(DAP:デジタルアダプションプラットフォーム)
“人が頑張る”から“仕組みで回る”状態に移行できれば、情シスの負荷は確実に軽減され、再現性のある業務運営が可能になります。
情シス業務を担うあなたが“変わる”ための3つのステップ
情シス業務を整理し、持続的に改善していくには「現状把握 → 改善計画 → 継続運用」の3ステップが鍵です。
ステップ①:現状棚卸し・業務可視化
まず、自分が担当している業務をすべて書き出し
- 頻度(毎日・毎週・毎月)
- 工数(どのくらい時間がかかるか)
- 他者への依存度(自分以外でも対応可能か)
を整理します。これにより、“無駄な繰り返し業務”や“自動化できる領域”が明確になります。
ステップ②:改善計画作成と関係部署との調整
次に、改善計画を立てる際は以下を意識しましょう。
- 現場に負担をかけない小さな改善から始める
- 経営層には「コスト削減・工数削減」という言語で説明する
- IT投資の優先順位を見える化する
この段階で、ツール導入や外部パートナー活用を検討すると、現場との調整がスムーズになります。
ステップ③:定期レビュー&継続改善で「1人情シス」を脱却
業務改善は一度きりではなく、“運用しながら育てる”プロセスです。
- 月1回の業務レビューを実施
- トラブル対応件数・問い合わせ工数を数値化
- 改善効果を経営層に共有
これを習慣化することで、情シス業務が「個人依存」から「仕組み依存」に変わり、
“1人情シス脱却”への道が開けます。
よくある質問(FAQ)
Q. 「情シスと社内SEは具体的にどう違うのですか?」
情シスは社内IT環境全体を管理・運用する職種、社内SEは開発寄りのエンジニア職です。
情シス=“守りと仕組み化”、社内SE=“開発と技術推進”が主軸と覚えましょう。
Q. 「1人情シスでもツールなしで運用できますか?」
可能ではありますが、限界があります。
対応履歴の記録漏れ・属人化・工数過多が発生しやすいため、無料または低コストの管理ツール(Googleフォーム、Notionなど)から始めるのがおすすめです。
Q. 「アウトソーシングを検討する際のポイントは?」
- どの業務を任せたいのか(定常か、改善か)
- セキュリティ要件・契約範囲の明確化
- ナレッジ共有体制の有無
単なる「作業代行」ではなく、自社の運用を支援する“パートナー型”サービスを選ぶのが理想です。
まとめ:情シスの課題を“自分ごと”として整理し、次の一手を考える
情シス業務は「縁の下の力持ち」でありながら、企業の成長を支える重要な戦略部門です。
本記事を通じて、自分の業務範囲を整理し、優先順位をつけられるようになった改善への道筋と、頼れる外部リソースの選び方が見えてきたそんな気づきを得られたのではないでしょうか。
これをきっかけに、今日からできる小さな業務整理を始めてみてください。
もし「限界を感じる」「仕組み化を進めたい」と思ったら、次のステップへ進むタイミングです。
情シス代行なら「情シスパートナー」
情シスパートナーは、IT業務・社内業務改善を任せられる「情シス代行・内製化支援サービス」です。
- ITヘルプデスク/資産管理/セキュリティ対応までワンストップ対応
- 業務のマニュアル化・自動化支援で“仕組み化できる情シス”を実現
- 現場に寄り添う運用設計とスキル定着サポート
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