社員数100人前後の企業が直面する情シス問題ベスト5
「PCが動かない」「ネットが遅い」「新しいソフトの使い方を教えてほしい」……。
社員数が100人前後になった頃から、こうした突発的な依頼に追われ、本来の業務が全く進まなくなったと感じていませんか?
多くの中小企業において、情シス(情報システム部門)は「詳しい人がついでにやる業務」と見なされがちです。しかし、社員が100人を超えると、これまでの「なんとなく」の運用は限界を迎えます。
本記事では、100人規模の企業が直面する「情シス問題」のリアルをランキング形式で解説します。あなたが今感じている「回らない」という焦燥感の正体を突き止め、現状を打破するためのヒントを見つけていきましょう。
目次
社員数100人の壁。なぜ今、中小企業の情シスが逼迫しているのか?
中小企業にとって、社員数100人は一つの大きな転換点です。これまで「顔が見える範囲」で通用していた管理体制が通用しなくなる、いわゆる「100人の壁」が情シス業務にも立ちはだかります。
「一人情シス」と「兼務情シス」の限界点
社員が数十人の規模であれば、総務や経理の担当者が「ITに少し詳しいから」という理由で兼務していても、なんとか回るかもしれません。しかし、100人規模になると話は別です。
100人分のPCセットアップ、アカウント発行、セキュリティアップデートの確認、日々寄せられるヘルプデスク業務。これらを一人、あるいは兼務でこなすには、物理的な時間が圧倒的に不足します。結果として、トラブル対応という「守り」の業務だけで一日が終わり、本来やるべきIT戦略や業務改善といった「攻め」の業務に手が回らなくなります。
IT環境の複雑化と経営層の認識ギャップ
さらに問題を深刻化させているのが、昨今のクラウドサービス(SaaS)の普及です。便利なツールが増える一方で、管理すべきIDやパスワード、セキュリティ設定は飛躍的に増加しました。
しかし、経営層の多くは「昔よりもITは便利(簡単)になったはずだ」と考えがちです。「なぜ佐藤くんは、パソコンの設定ごときでそんなに忙しそうにしているんだ?」という認識のギャップが、情シス担当者を精神的にも追い詰めていくのです。
【実録】100人前後の企業が直面する情シス問題ベスト5
現場で日々奮闘する担当者たちが、実際に頭を悩ませている問題とは何でしょうか。切実なワースト5をご紹介します。

第1位:ブラックボックス化する「属人化」と「1人情シス」の孤独
最も深刻なのが、特定の担当者にしかネットワーク構成やシステム構成が分からない「属人化」です。
「佐藤さんに聞かないと何も進まない」という状況は、担当者にとって大きなプレッシャーになります。休みの日でも電話がかかってくる、自分が倒れたら会社が止まる……。
この孤独感と責任感の重さが、離職のリスクを招く最大の原因です。
第2位:総務・経理との兼務による「本業」の停滞
「情シスは片手間でできる」という誤解により、総務や経理の主業務を持ったまま情シスを担っているケースです。
月末の決算作業や法務チェックなどの集中したい時に限って、「ネットが繋がらない」と社員がデスクにやってくる。このマルチタスクによる生産性の低下は、会社全体にとって大きな損失ですが、周囲からは「ただの親切な人」として処理されてしまいがちです。
第3位:野放しの「シャドーIT」が生むセキュリティリスク
会社が正式に導入していないフリーソフトやクラウドサービスを、社員が勝手に判断で使ってしまう「シャドーIT」。
100人規模になると、一人ひとりの操作を監視するのは不可能です。「利便性」を優先する現場と、万が一の漏洩を恐れる情シスの間で板挟みになり、実効性のないルールだけが形骸化していくリスクがあります。
第4位:Excel管理の限界を突破した「IT資産管理の崩壊」
「誰がどのPCを使い、どのライセンスを割り当てているか」をExcelで管理している場合、100人が限界値です。
入退社が頻繁になると更新が追いつかず、いつの間にか「所在不明のPC」や「使っていないのに支払い続けているライセンス」が続出します。これは単なる管理不備ではなく、無駄なITコストの増大に直結します。
第5位:コストと見なされる「IT予算と評価制度」の不在
情シスは「利益を生まないコストセンター」と見なされやすく、適切な予算が割り当てられません。
老朽化したサーバーの更新や、効率化のためのツール導入を提案しても、「今のままでも動いているだろう」と却下される。
また、トラブルがないのが当たり前とされるため、頑張っても正当に評価されないという不満が蓄積しやすい構造にあります。
このまま放置するとどうなる?会社が負う「目に見えない損失」
「今はまだなんとかなっているから」と、これらの問題を放置し続けることは、会社にとって時限爆弾を抱えるようなものです。具体的にどのようなリスクが待ち受けているのでしょうか。
担当者の離職による「システム完全停止」のリスク
情シス業務が属人化している場合、担当者がストレスや過労で離職した瞬間、社内のITインフラは「中身のわからないブラックボックス」と化します。
引き継ぎが不十分なまま担当者がいなくなれば、サーバーのパスワード一つわからず、トラブル時に復旧が不可能になることも珍しくありません。一人の離職が、全社員の業務停止という経営上の大損害に直結します。
情報漏洩が発生した際の損害賠償と信頼失墜
シャドーITの横行や、不十分なIT資産管理を放置していると、ある日突然「セキュリティ事故」として表面化します。
社員が個人のクラウドストレージに保存した顧客情報が流出した場合、中小企業であっても数千万円単位の損害賠償や、取引停止、社会的信用の失墜を免れません。「担当者が忙しくて手が回っていなかった」という理由は、対外的には通用しません。
現状を打破するために!情シス担当者が今日から始める3ステップ
では、多忙を極める現状をどう変えていけばよいのでしょうか。佐藤さんのような「兼務情シス」が取り組むべきステップを提案します。

ステップ1:業務の棚卸しと可視化(自分の首を絞めている作業は何か?)
まずは、自分が「何に」「どれだけの時間」を使っているかを書き出しましょう。
「PCのキッティング:月10時間」「パスワード再発行対応:月5時間」といった具合に可視化します。これにより、感情的な「忙しい」ではなく、客観的な「リソース不足」の証拠を作ることができます。
ステップ2:経営層へ「リスク」を共通言語で翻訳して伝える
経営層に訴える際は「作業が大変だ」と伝えるのではなく、
「今の体制では、顧客データの流出リスクが〇%ある」
「私が倒れたら全業務が止まる」
といった、経営リスクの言葉に翻訳して伝えます。
ステップ1で作成したデータをもとに、「この業務を外出しすれば、自分は本来の改善業務に〇時間割ける」と提案するのが効果的です。
ステップ3:アウトソーシングやSaaS導入で「作業」を「管理」に変える
100人規模になったら、全ての作業を自前でやるフェーズは卒業です。
定型的なヘルプデスクやPC設定、資産管理などはアウトソーシング(外注)を活用し、情シス担当者は「自社のITをどう管理・活用するか」という上流工程にシフトしましょう。「手を動かす人」から「仕組みを管理する人」へ役割を変えることが、100人の壁を突破する鍵です。
【Q&A】中小企業の情シス担当者からよくある質問
Q:情シスの増員を提案しても「まだ早い」と言われます。どう返すべき?
「人を増やす」という提案が通らない場合は、「外部パートナーの活用」を提案してみてください。正社員を一人雇うよりもコストを抑えられ、かつ専門的な知見を即座に取り入れられるメリットを強調すると、経営層も検討しやすくなります。
Q:スキルのない自分ではセキュリティ対策が不安です。何から学ぶべき?
まずはIPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が公開している「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン」を基に、自社の現状をセルフチェックすることから始めましょう。全てを完璧にするのは難しいため、専門業者の診断サービスを利用して「どこが最優先課題か」を明確にしてもらうのも手です。
Q:情シスの外注(BPO)は、どれくらいの費用感が一般的?
業務範囲によりますが、月額数万円〜数十万円と幅があります。重要なのは安さだけで選ばず、「自社の業務をどこまで理解してくれるか」「属人化を解消するためのドキュメント化まで協力してくれるか」という視点で選ぶことです。
まとめ:100人の壁を越え、攻めの情シスへ進化するために
社員数100人前後の企業にとって、情シスのあり方を見直すことは、もはや避けて通れない経営課題です。担当者一人で抱え込まず、外部の力も借りながら「属人化」を解消していくことが、会社と、そして佐藤さん自身のキャリアを守ることにつながります。
もし、「どこから手を付ければいいかわからない」「上司を説得できる材料がほしい」とお悩みなら、専門のパートナーに相談してみるのも一つの解決策です。
情シスの「困った」を解決するパートナー
「情シスパートナー」は、中小企業のIT業務、社内業務改善をトータルで支える専門家集団です。
単なる「作業の代行」に留まらず、IT業務のアウトソーシングを通じて担当者様の負担を軽減。さらに、将来的な「内製化」を見据えた支援やスキルの定着まで、貴社に寄り添ってサポートします。
「100人の壁」を感じている今こそ、体制を立て直す絶好のタイミングです。まずは貴社の現状をお聞かせください。