情シスの会議が多い理由とは?今すぐできる削減方法と効率化のコツ
情報システム部門(以下、情シス)で働いていると、「なぜこんなに会議が多いのか」「今日も会議で一日が終わってしまった・・」と感じることはありませんか。
気づけば1日の大半が会議で埋まり、本来やるべき改善業務や企画に手が回らない──そんな悩みは多くの現場で共通しています。
私たち情シスパートナーも、日々さまざまな企業の現場に関わっていますが、自社でも同じように会議が多くなりがちであり、またお客様からも同様の課題を頻繁にご相談いただきます。
本記事では、情シスに会議が多くなる理由を整理したうえで、無駄な会議を減らすための考え方と、当社が実際に行っている実践的な改善方法を解説します。
目次
情シスの「会議が多い」理由

情シス特有の業務構造
情シスは他部門と比べて、会議が増えやすい特徴的な立場にあります。
まず大きいのが、部署横断の調整役であることです。
システム導入や運用改善では、営業・人事・経理など複数部署との連携が必要になり、それぞれの要望をすり合わせるための会議が発生します。
また、ITは全社に関わるインフラであるため、関係者が多く、意思決定に時間がかかりやすいのも特徴です。
セキュリティやコスト、運用負荷など検討すべき観点が多く、結果として会議の回数が増えてしまいます。
さらに、トラブル対応の場面では、迅速な判断が求められるため、緊急的な会議が発生しやすい点も見逃せません。
会議が増えやすい典型パターン
情シスの現場では、以下のようなパターンで会議が増えていきます。
①とりあえず会議を開く
まずよくあるのが、「とりあえず会議を開く」というケースです。
課題が発生した際に、チャットやドキュメントで整理する前に会議を設定してしまい、結果的に非効率な議論になることがあります。
②情報共有のためだけの会議
次に、情報共有のためだけの会議も増えがちです。
本来であれば非同期で共有できる内容でも、慣習的に会議で説明する文化が残っているケースは少なくありません。
③結論が出ない定例会議
そしてもう一つが、結論が出ない定例会議です。
目的が曖昧なまま続いている定例会は、参加者の時間を消費するだけでなく、「会議が増える原因」そのものになります。
無駄な会議を減らすための基本原則

その会議、本当に必要ですか?
会議を減らす第一歩は、「そもそも必要か?」を見直すことです。
重要なのは、会議の目的を明確にすることです。
目的が「意思決定」なのか「情報共有」なのかで、適切な手段は変わります。
特に見直すべきなのが、情報共有型の会議です。進捗報告や周知事項であれば、チャットやドキュメントで代替できる場合が多く、わざわざ全員の時間を合わせる必要はありません。
会議を開く前に、「この内容は本当にリアルタイムで話す必要があるのか?」と一度立ち止まるだけで、無駄な会議は大きく減らせます。
会議を減らす判断基準
実務で使いやすい判断基準として、以下の2つを意識すると効果的です。
1つ目は、意思決定が必要かどうかです。
複数人の合意形成が必要な場合は会議が有効ですが、そうでなければ非同期で対応できます。
2つ目は、リアルタイム性が求められるかです。
緊急対応やその場での議論が必要な場合を除き、多くの業務は時間をずらしても問題ありません。
この2軸で判断することで、「会議である必要のないもの」を明確に切り分けることができます。
情シス向け|効率的な会議の進め方~3つのポイント~

ここからは、私たち情シスパートナーでも実際に取り入れている会議の進め方について紹介していきます。
ポイント①事前準備で8割決まる
会議の質は、始まる前の準備でほぼ決まります。まず重要なのが、アジェンダの事前共有です。
議題とゴールが明確であれば、参加者は事前に考えを整理でき、会議のスピードが大きく向上します。
次に、会議のゴール(決定事項)を明確にすることも欠かせません。
「何を決める場なのか」が曖昧なままでは、議論が発散し、時間だけが過ぎてしまいます。
さらに、参加者の選定も重要です。関係者を広く集めすぎると議論がまとまりにくくなるため、本当に必要なメンバーだけを招集する意識が求められます。
ポイント②会議の進行役を明確にする
会議中は、進行の仕方によって効率が大きく変わります。
まず、ファシリテーター(進行役)を明確にすることが重要です。進行役がいない会議は、話題が逸れたり、発言が偏ったりしやすくなります。
また、論点管理も欠かせません。脱線しそうな話題が出た場合は、一度切り分けて本筋に戻すことで、会議の質を保てます。
ポイント③会議後のアクション管理
会議は「終わった後」が最も重要です。
まず必ず行うべきなのが、決定事項・担当者・期限の明確化です。
これが曖昧だと、結局「何も進んでいない会議」になってしまいます。
また、議事録は完璧である必要はありません。重要なのはスピードと要点であり、簡潔にまとめてすぐ共有することが重要です。会議を単なる「話し合い」で終わらせず、具体的なアクションにつなげることが、効率化の鍵になります。
すぐに使える会議改善テクニック

ここからは、今日からすぐに使える会議テクニックについて紹介いたします。
時間を短縮する工夫
会議時間はデフォルトで「60分」になっていないでしょうか。
実はこの前提を変えるだけでも、大きな改善につながります。
まずおすすめなのが、30分・45分など短時間での設定です。
時間が制限されることで、自然と議論が要点に集中します。
また、終了時刻を必ず守ることも重要です。
「少し延長しよう」が積み重なると、会議への心理的ハードルが下がり、結果的に無駄な会議が増えてしまいます。さらに、議題ごとに時間配分を決めておくと、進行のブレを防ぐことができます。
定例会議の見直し
情シスで特に見直すべきなのが「定例会議」です。
長年続いている定例会議の中には、目的が曖昧なまま惰性で続いているものが少なくありません。
以下の観点で一度整理してみてください。
- アジェンダが毎回曖昧になっていないか
- 決定事項がほとんどない会議になっていないか
- 同じ内容を繰り返していないか
もし当てはまる場合は、思い切って以下の対応を検討しましょう。
- 廃止する
- 隔週・月次に頻度を下げる
- 必要なときだけ開催する
ツール活用で非対面コミュニケーション
会議を減らすうえで、ツールの活用は欠かせません。
まず重要なのが、チャットツールによる非同期コミュニケーションです。
簡単な確認や情報共有は、会議ではなくチャットで完結させる意識を持ちましょう。
次に、タスク管理ツールの活用です。
進捗共有のための会議が多い場合、タスクの可視化ができていない可能性があります。
タスク管理ツールを使えば、わざわざ集まらなくても状況を把握できるため、定例会議の削減につながります。
また、ドキュメント共有ツールを使って、議事録や仕様を蓄積することで、同じ説明を繰り返す無駄も防げます。
それでも会議が多い場合の対策

業務分担の見直し
会議が減らない場合、そもそもの業務構造に問題がある可能性があります。
特に多いのが、情シスに業務が集中しすぎている状態です。
問い合わせ対応、トラブル対応、調整業務などが一箇所に集まることで、自然と会議も増えてしまいます。この場合は、以下のような見直しが有効です。
- ヘルプデスク業務の切り分け
- 各部署で対応できる範囲の明確化
- 担当領域の分担
すべてを情シスで抱え込まず、業務を分散させることが重要です。
アウトソーシングの活用
どうしてもリソースが足りない場合は、外部リソースの活用も選択肢になります。
特に、以下のような業務は外注との相性が良いです。
- ヘルプデスク対応
- キッティングや定型作業
- 監視・保守業務
これらを外部に任せることで、会議の原因となる業務そのものを減らすことができます。
ただし、いきなり全面的に外注するのではなく、まずは一部業務から段階的に導入するのが現実的です。
よくある質問(FAQ)
Q.会議を減らすとコミュニケーション不足になりませんか?
必ずしもそうとは限りません。
むしろ、必要な会議だけに絞ることで、コミュニケーションの質は向上します。
日常的な情報共有はチャットやドキュメントで補完し、「会議は重要な議論の場」として使い分けることがポイントです。
Q.上司が会議を減らしてくれません
この場合は、感覚ではなくデータで示すことが効果的です。例えば、
- 1週間の会議時間
- 会議による工数の圧迫
- 決定事項の有無
などを可視化することで、改善の必要性を伝えやすくなります。小さな会議から改善し、成功事例を積み重ねるのも有効です。
Q.どこから改善すべきですか?
最も効果が出やすいのは、定例会議の見直しです。
定例会議は頻度が高いため、1つ改善するだけでも大きな時間削減につながります。
まずは「不要な定例会議がないか」をチェックすることから始めましょう。
会議を減らせば情シスはもっと強くなる
情シスに会議が多いのは、決して珍しいことではありません。
しかし、その多くは「仕方ない」で済ませるのではなく、見直すことができます。
重要なのは以下の3点です。
- 会議の必要性を見極めること
- 進め方を改善すること
- 業務構造そのものを見直すこと
これらを実践することで、会議に奪われていた時間を取り戻し、本来注力すべき業務に集中できるようになります。
まずはできるところから、小さく改善を始めてみてください。