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情シスのDX推進は”紙”から始めよう|30日間で業務デジタル化を進める方法

情シスのDX推進は”紙”から始めよう|30日間で業務デジタル化を進める方法

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「DXを推進してほしい」という経営層からの期待を受けながらも、気づけばヘルプデスクの問い合わせ対応やPC設定といった日常業務で一日が終わっている・・そんな状況に心当たりはないでしょうか?
DXに踏み出せない本当の理由は、担当者のやる気や力量にあるわけではありません。
そもそも推進に充てる時間も余裕も生まれない構造的な環境こそが、最大の障壁になっているのです。


本記事では、人手不足の情シスが現実的に動けるDXの入口として「紙業務のデジタル化」に着目し、30日間で業務改善の実績をつくるための具体的なステップを解説します。
大規模なシステム導入は必要ありません。まずは”業務が止まらない改善”から始めることが、DX推進の確実な第一歩になります。

なぜ”紙”から始めるのか?業務デジタル化がDXの入口になる理由

紙から始める3つのメリット

紙業務のデジタル化をDXの入口に選ぶ理由は3つあります。

①コストが低い

紙申請書のデジタル化やワークフロー化は、月額数千円〜数万円のSaaSで実現できる場合が多いです。大規模なERPやシステム開発のような数百万円の投資は不要であり、予算承認のハードルが低くなります。

②現場の反発が少ない

例えば、「紙の申請書をなくしてスマホで承認できるようにする」という変化は、多くの社員にとって「楽になる」と受け取られやすいです。業務フロー全体を変えるわけでも、使い慣れたシステムを入れ替えるわけでもないため、心理的な抵抗感が小さくなります。

③効果が数字で見えやすい

「月に何枚の紙申請書が発生していたか」「承認までに何日かかっていたか」を事前に計測しておけば、導入後の変化が明確な数値として示せます。経営層への報告や次のDX施策への説得材料として使える実績になります。

社内合意を取りやすい施策から始めることの重要性

DX推進において、情シスが最初につまずくのは技術的な問題よりも社内合意の壁であることが多いです。
「なぜ今やるのか」「誰がやるのか」「失敗したらどうするのか」こうした問いに答えられないまま進めると、現場からの抵抗や経営層の無関心によって頓挫してしまいます。

だからこそ、最初は「社内合意が取りやすい施策」を選ぶことが重要で、合意を取りやすい施策には共通点があります。
「影響範囲が限定的」「コストが低い」「元に戻せる」「メリットが全員に分かりやすい」。この4つの条件を満たす施策がそれにあたります。

紙業務のデジタル化は、まさにこの条件に合致しやすいのです。
「まず1つの部署の申請書だけ試してみる」というスモールスタートなら、失敗しても被害は最小限です。
そしてうまくいけば「うちでもやってほしい」という声が他部署から自然と上がり、全社展開への道が開けます。

最初の一手を慎重に選ぶことが、DX推進を自分の評価と組織の変化につなげるための重要な判断になります。

部門ヒアリングから始める紙業務の棚卸し

部門別ヒアリングで業務を棚卸しする方法

紙業務のデジタル化を進めるにあたって、最初にすべきことは「社内にどんな紙業務が存在するか」を把握することです。
頭の中だけで考えていると抜け漏れが生じるため、部門別のヒアリングを通じて業務を棚卸しすることをおすすめします。

ヒアリングの進め方はシンプルで構いません。
各部門の担当者に対して、以下の3点を中心に聞いていきます。

  • 毎月・毎週・毎日発生している紙の作業は何か
  • 承認や確認のために紙を使っている場面はどこか
  • 手書きや印刷が必要な書類は何か

1部門あたり15〜30分程度のヒアリングを設定し、回答を自社で管理している表計算ツールや台帳(Microsoft 365のExcelやGoogleスプレッドシートなど)にまとめていくだけで、社内の紙業務の全体像が見えてきます。

また、このヒアリング自体が現場との関係構築にもなります。「情シスが自分たちの業務を理解しようとしている」という姿勢を示すことで、後の導入フェーズで協力を得やすくなります。
一方的にツールを押しつけるのではなく、現場の声を起点にすることが、DX推進をスムーズに進める上で非常に重要です。

優先度は「頻度×影響×難易度」で検討する

棚卸しが終わったら、どの業務から手をつけるかを決める必要があります。
このとき有効なのが「頻度×影響×難易度」の3軸で評価する方法です。

評価軸内容
頻度業務が発生する回数。毎日発生する業務と年1回の業務では、デジタル化による恩恵の大きさが全く異なる
影響デジタル化したときに何人・何部門に効果が及ぶか。複数部門にまたがる業務ほど、改善効果が広く波及する
難易度システム導入や社内合意の取りやすさ。承認フローが複雑な業務や関係者が多い業務は難易度が高くなる

上記の3軸をそれぞれ3段階(高・中・低)で評価し、「頻度が高く、影響が広く、難易度が低い」業務を最優先候補として選びます。

評価頻度影響難易度
毎日〜週次で発生複数部門・多人数に波及関係者が多く合意が困難
週次〜月次で発生一部門内の複数人に波及ある程度の調整が必要
月次〜年次で発生担当者個人に限定すぐに導入・合意できる


スコアを数値化し、自社で管理している表計算ツールやプロジェクト管理ツールで管理すると、優先度の根拠を経営層に説明する際にも使えます。

スモールスタートに向いている業務3選

具体的にどの業務から始めるべきか迷う場合は、以下の3つが特にスモールスタートに向いています。

①各種申請書(休暇・経費・備品購入など)

発生頻度が高く、承認フローが比較的シンプルなため、フォーム作成ツールやクラウド型ワークフローシステムで対応できるケースが多いです。
たとえば、Microsoft Forms、Google Forms、各種ワークフローサービスなど、自社の利用環境や情報管理ルールに合ったツールを選定します。
紙の申請書をデジタルフォームに置き換えるだけで、印刷・押印・保管のコストを削減できます。

②会議室・設備の予約管理

紙の予約台帳やホワイトボードで管理している場合、自社で利用しているカレンダー機能や予約管理SaaSに切り替えることで、「ダブルブッキング」「状況確認のための声かけ」が不要になります。
現場の受け入れ抵抗も小さく、効果がすぐに実感されやすい業務です。

③入退社・異動時の手続き書類

雇用保険や社会保険の手続きに関わる書類は定型化されており、チェックリストやフォームに落とし込みやすいです。担当者が変わっても対応できる仕組みをつくることで、属人化の解消にも直結します。

【30日間ロードマップ】情シスが実践すべき業務デジタル化のステップ

1〜7日目:業務の可視化と課題の整理

最初の1週間は、動くよりも「見る」ことに集中します。
前述のヒアリングをもとに部門別の紙業務マップを作成し、現状の業務フローを可視化します。
この段階では「何が問題か」を整理することが目的であり、ツールの選定や導入は行いません。

並行して、現状の数値も記録しておきましょう。
「月間の紙申請枚数」「承認までの平均日数」「担当者が処理にかかっている時間」といったベースラインのデータを取っておくことで、後から効果を定量的に示せるようになります。
この数値が、経営層への報告や次のステップへの説得材料になります。

8〜14日目:対象業務を絞り、社内合意を形成する

2週目は、最優先でデジタル化する業務を1つに絞り、関係者との合意形成を進めます。
「頻度×影響×難易度」の評価をもとに対象業務を決めたら、その業務の担当部門の責任者と現場担当者に対して個別に話を通します。

このとき重要なのは、「DXをやりたい」という情シス側の都合を前面に出さないことです。
「〇〇さんが毎月対応している申請書の処理を、もう少しラクにできないか考えています」という現場目線のアプローチが、合意を取りやすくします。

また、経営層への報告もこの週に行います。
「何をやるか」「なぜやるか」「どんな効果が見込めるか」「万が一うまくいかなかった場合はどうするか」の4点をA4一枚程度にまとめて説明できると、承認を得やすくなります。

15〜21日目:ツールを検討・選定して試験導入する

3週目は、対象業務に合ったツールを選定し、特定の部門・チームに限定した試験導入を行います。
ツール選定のポイントは「機能の多さ」ではなく「現場が使えるかどうか」です。
無料トライアルを活用し、実際の担当者に触ってもらって使い勝手を確認してから選定することをおすすめします。

試験導入は、影響範囲を意図的に絞ることが重要です。
「まず総務部の3名だけで試す」「1つの申請書類だけを対象にする」といった限定スタートにすることで、問題が起きても即座に修正できます。
この段階では完璧を目指さず、「使ってみてどう感じたか」というフィードバックを集めることを最優先にしましょう。

22〜30日目:効果を数字で示し、全社展開への布石をつくる

最終週は、試験導入の結果を整理し、効果を数値で示す段階です。
1〜7日目に記録したベースラインのデータと比較して、「処理時間が週あたり〇時間削減された」「承認リードタイムが〇日から〇日に短縮された」といった具体的な成果をまとめます。

このレポートを経営層と現場責任者に共有することで、次のステップへの信頼と予算を獲得しやすくなります。
また、試験導入に参加した現場担当者の声を一言添えると、数字だけでは伝わらないリアリティが加わります。

30日間で「1つの紙業務をデジタル化した実績」をつくることが、情シスがDX推進者として社内で認められるための最初の証明になります。

人手が足りなくてもDXは進められる│アウトソーシングとAI活用

「自分でやる業務」と「外に出せる業務」の仕分け方

一人情シスが陥りがちな罠は、「全部自分でやらなければ」という思い込みです。
業務の性質を整理すると、実は外部に出せるものが意外と多いことに気づきます。

仕分けの基準はシンプルです。自分でやるべき業務は、社内の機密情報や経営判断に関わるもの、社内事情を深く知っていないと対応できないものです。
一方、外に出せる業務は、手順が定型化されているもの、専門的なスキルが必要なもの、発生頻度が低く社内で習熟するコストが見合わないものです。

具体的には、ヘルプデスクの一次対応、ネットワーク・サーバーの監視・保守、セキュリティ診断、ソフトウェアライセンス管理などがアウトソーシングの候補になります。
これらを外部に任せることで、情シス担当者がDX推進や社内改善に使える時間を意図的に確保することができます。

アウトソーシングを活用するメリット

アウトソーシングの最大のメリットは、専門性をコストで買える点にあります。
セキュリティ対策やインフラ管理は年々高度化しており、一人の担当者がすべてをカバーすることは現実的ではありません。外部の専門会社に任せることで、対応品質を維持しながら自分の時間をDX推進に振り向けることができます。

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AIとノーコードツールを活用した一人情シスの運用方法

アウトソーシングと並んで、AI・ノーコードツールの活用も一人情シスの業務負荷を下げる有効な手段です。

問い合わせ対応には、社内FAQ Botが効果的です。「パスワードを忘れた場合の手順」「VPNの接続方法」といった定型の問い合わせをBot化することで、同じ質問への対応時間をゼロにできます。

また、ドキュメント作成には生成AIが役立ちます。社内マニュアルの草案作成や経営層向けの報告資料のたたき台づくりを、AIに下書きさせることで作業時間を大幅に短縮できます。

これらを組み合わせることで、「日常対応は仕組みに任せ、自分はDX推進に集中する」という体制を少しずつ実現できます。

情シスパートナーの無料AIサービスのご紹介

情シスパートナーではAIチャットボットや専用FAQサイトを無料でご提供しており、ツール選定や初期設定に時間をかけることなく、すぐに使い始めることが可能です。
アウトソーシングサービスと組み合わせることで、問い合わせ対応の負荷をまとめて解消することもできます。

資料請求も導入のご相談も無料で受け付けています!

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DX推進で情シスが直面する課題と対応方法

DXの施策を進めていくなかで、情シス担当者が避けて通れないのが「社内の壁」です。
現場の反発、経営層への説得、そして想定外の失敗など。これらは多くの情シス担当者が経験する共通の課題です。

現場の抵抗が生まれる主な理由

現場スタッフにとって、慣れた業務フローを変えることは単なる「不便」ではなく、「自分の仕事を否定された」と感じるケースもあります。特に長年同じ方法で業務を続けてきた方ほど、デジタル化の提案を「批判」として受け取りやすい傾向があります。

効果的なアプローチは「巻き込む姿勢を持つ」こと

現場の抵抗を和らげるうえで最も有効なのは、「情シスが決めて現場に押しつける」のではなく、「現場と一緒に考える」プロセスを作ることです。具体的には以下のような進め方が有効です。

まず、ヒアリング段階から現場担当者を巻き込みます。「どの業務が大変ですか?」「紙でやっていて不便を感じる場面はありますか?」と聞くことで、デジタル化を「情シスの都合」ではなく「現場の課題解決」として位置づけることができます。

次に、試験導入の段階でも、現場の協力者(キーパーソン)を探して一緒に試します。
率先して使ってくれる人が一人でもいると、周囲への波及効果が大きくなります。
このキーパーソンは、必ずしも役職が高い人でなく、「新しいことに前向きな人」「周囲から信頼されている人」を選ぶと効果的です。

また、フィードバックをしっかり受け取り、改善に反映させることも重要です。
小さな改善でも「教えてもらって直しました」と伝えると、信頼関係が育ちます。

経営層に企画を通すための説明の型

情シスがDX施策を進めるうえで、もう一つの壁が経営層への説明です。
経営層は現場の業務詳細よりも、「投資対効果」「リスク」「競合比較」「タイミング」を重視します。
以下の4点を軸に説明を組み立てると、話が通りやすくなります。

①現状の課題をコストで見せる

「月に〇時間の手作業がある」を「人件費換算で年間〇〇万円のコスト」に置き換えます。数字で現状の非効率を示すことで、「放置するコスト」を可視化できます。

②解決策と導入コストを並べる

ツール導入費・初期設定費・教育コストを具体的に出し、「何ヶ月で元が取れるか」を試算して提示します。ここで重要なのは、過度に楽観的な試算を避けること。保守的な数字で示したほうが信頼を得やすく、後から「思ったより効果があった」と言える余地が生まれます。

③スモールスタートで提案する

「全社導入」ではなく「まず○○部門で3ヶ月試します」と提案すると、経営層のリスク感覚に寄り添えます。失敗したときの損失が限定的であることを示すと、承認ハードルが下がります。

④他社・業界の動向を添える

「競合のA社はすでに〇〇を導入している」「〇〇業界では電子化率が〇割を超えている」といった外部情報を添えることで、「やらない理由」を減らせます。
業界レポートや官公庁の統計資料を活用すると説得力が増します。

提案書の構成例

経営層向けの説明資料は、以下のシンプルな流れで作ると伝わりやすくなります。

  1. 現状の課題(数字で示す)
  2. 解決策の概要(ツール名・仕組み)
  3. 導入コストと期待効果(試算)
  4. スケジュールとリスク対策
  5. 最初のアクション(何をいつまでに)

うまくいかなかったときのリカバリー方法

どんなに準備しても、DX施策がうまく機能しないケースはあります。ツールが現場に定着しない、想定より効果が出ない場面でどう立ち回るかが、担当者としての信頼を左右します。

まず「失敗」を正確に分類する

うまくいかない場合の原因は、大きく3つに分類できます。

  • ツールの問題:機能が合っていない、使いづらい、コストに見合わない
  • プロセスの問題:導入の手順が現場に合っていなかった、説明・教育が不足していた
  • タイミング・体制の問題:担当者の異動、繁忙期への配慮不足、社内の優先度が変わった

原因を誤って認識すると、対策も的外れになります。現場ヒアリングや利用ログの確認などで「何が問題だったか」を客観的に整理することが、リカバリーの第一歩です。

「撤退」も選択肢として持っておく

うまくいかなかったとき、「続けるか」「修正するか」「撤退するか」の判断が必要になります。
撤退を選ぶことを「失敗」と捉えず、「新たな情報を得た」として次の施策に活かす姿勢が大切です。
スモールスタートで進めていれば、撤退のダメージは最小限に抑えられます。

報告・共有を怠らない

うまくいかなかった場合でも、経営層や関係部署への報告は必ず行います。
「何が起きたか」「なぜそうなったか」「次にどうするか」の3点を整理して伝えることで、「情シスがちゃんと考えて動いている」という信頼を維持できます。失敗を隠すよりも、誠実に報告するほうが長期的な信頼構築につながります。

小さな成果を積み上げて信頼を回復する

一度の失敗で全体の評価が下がりやすい環境では、別の業務でのスモールスタートを通じて「成功体験」を積み上げることが有効です。短期間で成果を出しやすい業務(例:稟議書の電子化、勤怠入力の自動化など)から再挑戦することで、社内の空気を変えることができます。

「完璧な計画」より「明日、紙を1枚なくす」ことから始めよう

ここまで、情シスが直面するDX推進の壁と、その乗り越え方を解説してきました。
最後に、最も大切なことをお伝えします。

DXの成功事例を読んでいると、「大規模な変革」「全社展開」「経営主導のプロジェクト」といった言葉が目立ちます。しかし現実の情シス担当者の多くは、人手も時間も限られたなかで日々の対応に追われています。そこに「完璧なDX計画」を求めることは、むしろ前進を妨げる原因になります。

DXの本質は「業務の質を変えること」です。そしてその第一歩は、今日の仕事のなかにある「1枚の紙」を見直すことから始まります。

  • 押印のために印刷している書類を、クラウドサービスで承認するようにできないか
  • 手書きで記入している日報を、入力フォームに置き換えられないか

こうした小さな問いを立て、小さく試し、小さく成果を出す・・その積み重ねが、やがて組織全体のDX推進につながっていきます。

情シスパートナーは、現場の悩みに寄り添いながら、DX推進の支援を行っています。
ツール選定から社内合意のサポートまで、貴社の状況に合わせた伴走支援が可能です。
「まず話を聞いてみたい」という段階でも構いません。一人で抱え込まず、お気軽にご相談ください。

資料請求も導入のご相談も無料で受け付けています!

情シスパートナー編集部
情シスパートナー編集部
IT支援に携わるエクスブレーンが運営する「情シスパートナー」チームです。
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