一人情シスのヘルプデスク構築術|問い合わせ対応を仕組み化する4つのステップ
「今日も同じ質問が来た…」「メール・Teams・口頭、どこから来るかわからない…」
一人で情シスを担いながら、こんな状況に疲弊していないでしょうか。
問い合わせ対応に追われて、本来やるべきセキュリティ対策やシステム改善が後回しになる・・この悪循環を断ち切るのが、ヘルプデスクの仕組み化です。
専任チームや高額ツールがないと、ヘルプデスクを構築できないと思っていませんか?
実はGoogleフォームやスプレッドシートで今日から始められます。
この記事では、一人情シスでも無理なく回せるヘルプデスク体制の作り方を4つのステップで解説します。
目次
一人情シスがヘルプデスク対応の仕組み化を避けられない理由

問い合わせが1日15件を超えたら、仕組み化のサイン
一人情シスの現場では、1日15件前後の問い合わせが”普通”になっているケースが少なくありません。
仮に1件平均15分かかるとすれば、1日15件で約3時間45分が問い合わせ対応だけで消える計算になります。コア業務に充てる時間が削られ、残業が常態化しかねません。
問い合わせが1日15件を超えてきたら、ヘルプデスクの仕組み化を検討するサインです。
| 1日の問い合わせ件数 | 状態の目安 |
|---|---|
| 〜5件 | 手動対応でも管理可能 |
| 6〜15件 | 記録だけでも始めておくべき |
| 16〜30件 | 窓口一本化+FAQ化が急務 |
| 31件以上 | ツール導入または外部委託を本格検討 |
対応に追われ続けると起こる3つの悪循環
場当たり的な対応を続けると、以下3つの悪循環に陥ります。
- 属人化が進む
- 残業が常態化する
- コア業務が後回しになる
セキュリティ対策やSaaS管理といった本来の情シス業務が積み残され、気づいたときにはセキュリティインシデントが起きていた、という事態になりかねません。
情シスにおけるヘルプデスクの役割とは?

ヘルプデスクは「部署」ではなく「体制」の話
ヘルプデスクの本質は、社内からのIT問い合わせを、決められた窓口・方法・流れで受け付け、対応し、記録する仕組みを持つことです。
専任チームは不要で、一人でも仕組みが整っていればヘルプデスクとして機能します。
なお、似た言葉に「社内SE」がありますが、社内SEはシステム開発・改修が中心で、情シスやヘルプデスクとは役割が異なります。
情シスが「広く浅くIT全般を担う」のに対し、社内SEは「特定システムを深く専門的に担う」存在です。
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一人情シスだからこそヘルプデスク導入のメリットが大きい理由
一人情シスほどヘルプデスク化の恩恵が大きいのには理由があります。
窓口を一本化するだけで対応時間が読めるようになり、対応記録がナレッジとして蓄積され、FAQへと育っていきます。
また、記録があれば「自分が休めない状況」を上司に可視化して伝えられ、増員・外注化を提案する根拠にもなります。
ツールを入れる前に、問い合わせの現状把握
仕組み化でよくある失敗は、最初からツールを入れようとすることです。
まずは1週間、来た問い合わせをスプレッドシートに記録してみましょう。
「どの経路が多いか」「何が繰り返されているか」「1日何時間が消えているか」が見えてきます。
そして集計して出てきた上位5件が、そのままFAQの候補になります。
【STEP1】社内の問い合わせ窓口を一本化する
GoogleフォームまたはMicrosoft Formsで受付を統一する方法
最もシンプルに始められるのが、GoogleフォームまたはMicrosoft Formsでの受付統一です。
Google WorkspaceやMicrosoft365を利用している環境であれば、追加費用をかけずに始められます。
| Googleフォーム | Microsoft Forms | |
|---|---|---|
| 向いている環境 | Google Workspace導入済み | Microsoft 365導入済み |
| 通知機能 | Gmail・Chatへ通知可能 | Teamsへ通知可能 |
フォームの項目は以下の5項目が最小構成です。
複雑にしすぎると口頭に戻ってしまうので、最初はシンプルさを優先しましょう。
- 氏名
- 部署
- 問い合わせカテゴリ(選択式)
- 詳細
- 緊急度
【STEP2】対応記録を残して業務を見える化する
Googleフォームを使っていれば回答は自動的にスプレッドシートに蓄積されます。
ここに「対応ステータス」と「対応内容メモ」の列を追加するだけで、簡易チケット管理台帳が完成します。
記録を続けると「パスワードリセットだけで月〇時間使っている」というデータが見えてきます。これが上司への改善提案の根拠になり、FAQやマニュアルへと発展します。
記録がナレッジになり、属人化の解消と負担軽減につながるのです。
【STEP3】FAQを活用して社内の自己解決を促す
問い合わせを減らす最も効果的な方法は、社員が自分で答えを見つけられる環境を作ることです。
最初に作るべきはFAQです。ナレッジベース(マニュアル形式)は構成を考える手間がかかるため、まずよくある質問TOP5をQ&A形式で書き起こすことから始めましょう。
FAQの置き場所は、Googleドライブ・SharePoint・Notionなど、会社で利用を許可されている情報共有基盤を活用しましょう。
問い合わせフォームの冒頭に「まずFAQをご確認ください」と明記してURLを貼るだけで、自己解決率は大きく変わります。
【STEP4】問い合わせ件数が増えたらヘルプデスクツールを導入する
月200件を超えてきたり、スプレッドシート管理に限界を感じてきたら、ツールの導入を検討しましょう。
まずは無料プランや試用期間を活用して実際に使ってみて、運用に合ってから移行するのが安全です。
| ツール名 | 特徴 |
|---|---|
| Freshdesk | 直感的なUI、小規模スタートに最適 |
| Zoho Desk | 日本語対応が充実 |
| Jira Service Management | ITILベースの本格管理が可能 |
| kintone | 日本製、カスタマイズ性が高い |
セキュリティ要件も確認すべき!ツール導入のチェックポイント3つ
ツールには社員の個人情報やシステム情報が蓄積されます。導入前に以下を必ず確認しましょう。
- データの保存場所(国内か海外か)
- アクセス権限の管理機能があるか
- SSL/TLS通信対応か
導入タイミングの目安
「ツールが先」ではなく「仕組みが先」が鉄則です。
月100件程度であれば、まずはステップ1〜3の仕組みで運用を始める企業も多くあります。
対応漏れが増えてきた場合や複数人で対応するようになった場合はツール導入を検討しましょう。
よくある質問(FAQ)
Q.ヘルプデスクは何人いないと始められませんか?
一人でも始められます。まずはGoogleフォームで窓口を一本化するだけで十分です。
Q.費用はどのくらいかかりますか?
GoogleフォームやスプレッドシートはGoogle Workspaceがあれば無料で使えます。
ツール導入はステップ4で紹介していますが、月200件を超えるまでは無料ツールで十分対応できます。
Q.FAQを作っても読んでもらえない場合はどうすればいいですか?
問い合わせフォームの冒頭に「まずFAQをご確認ください」と明記し、URLを貼るのが効果的です。口頭で問い合わせが来た際も「FAQに載っているので確認してみてください」と案内することで、徐々に定着していきます。
Q.仕組み化を上司に提案するにはどうすればいいですか?
まず1週間、問い合わせ件数と対応時間をスプレッドシートで記録しましょう。
「月○時間が問い合わせ対応に消えている」というデータがあると、増員や外注化の必要性を具体的に伝えられます。
コア業務に集中できる情シス体制を作るために
| ステップ | やること | 使うもの |
|---|---|---|
| 現状把握 | 1週間、問い合わせを記録する | スプレッドシート |
| STEP1 | 問い合わせ窓口を一本化する | GoogleフォームまたはForms |
| STEP2 | 対応記録を残して見える化する | スプレッドシート |
| STEP3 | FAQを作って自己解決を促す | GoogleサイトやNotion |
| STEP4 | 件数が増えたらツールを導入 | Freshdesk、Zoho Deskなど |
完璧な仕組みを最初から作ろうとする必要はありません。
まず今日、フォームで窓口を一本化することから始めてみましょう。それだけで、明日からの問い合わせ対応は変わり始めます。
もし一人では手が回らない状況が続くなら、ヘルプデスク業務のアウトソーシングも現実的な選択肢です。定型対応を外部に委ねることで、セキュリティ対策・IT戦略といった本来のコア業務に集中できる環境が整います。
情シスパートナーでは、ヘルプデスク代行を含む情シス業務のアウトソーシング支援を行っています。
ツール選定から日々の運用まで、貴社の状況に合わせてサポートいたします。
ヘルプデスク業務のアウトソーシングをお考えの方は、まずはお気軽にご相談ください。
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